
ほしいもとサツマイモのことで知りたいことがあれば是非ご活用ください。


2014年9月の“お宝ほしいも”

安納芋の干し芋は、原料芋が干し芋用の大きさに育つように工夫して栽培した、安納芋で作ります。
サツマイモには“ホクホク系”と“しっとり系”の2種類の食感があります。
焼き芋といえば一昔前はホクホク系が多く、品種で言えば、「紅あずま」や「金時芋」がそれに当たります。
最近ではしっとり系の焼き芋が流行っていて、それらは干し芋に適したものもあります。
「紅はるか」は干し芋産地でも根付いたサツマイモで、しっとり系の焼き芋、甘い干し芋になる品種です。
紅はるか以外で、焼き芋でも干し芋でも美味しいサツマイモが「紅マサリ」そして「安納芋」です。
いずれも水分含有量が多いサツマイモで、だからしっとり系の焼き芋ですし、干し芋にも適しています。
しかし「紅マサリ」と「安納芋」では栽培の仕方は全く異なります。
「紅マサリ」は大きく育つ品種なので、干し芋に適した大きさになるように考えて栽培します。
それに対して「安納芋」は干し芋産地の気候では寒いために、なるべく温度がとれるようにします。
温度を稼ぐために畝(うね)には黒マルチ(ビニール)を被せます(抑草も兼ねています)。
畝に植える苗の間も幅広くして、芋のつるがのびのびできる状態にしておきます。
そしてこれが大事なのですが、干し芋産地に常に吹いている冷たい海風が当たりにくい畑を選びます。
また収穫はなるべく遅らせます。
ここまでしても中々大きくはなりません。
それに加えて安納芋は干し芋加工が厄介なのも特性としてあります。
実が崩れやすいのです。
皮むきしている時から崩れてしまいます。
スライスしている時も、簾(すだれ)に並べる時も注意深く作業しないとなりません。
育たないことに加えてこの特性ですから、産地で安納芋を作る農家はまずいません。
けれどしっとり系のサツマイモなので、干し芋には適しています。
今月は、安納芋の四切り干し芋です。2013年度に初めて作った干し芋です。
安納芋らしい甘さはそのままで、平干し芋よりも食べやすくなっています。
とても良いものができたので、お宝ほしいもとしてお届けしました。
2014年9月5日 株式会社タツマ 福井保久

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